プロ野球とサッカー
プロスポーツとしての歴史は野球の方がはるかに長いのですが、最近は子供たちの部活でサッカー部の方が野球部よりも多いと言うくらいになっています。スポーツとしてはそれぞれの魅力があり、見る者を魅き付けてくれますが、そのポイントを把握するとさらに楽しめます。野球は遠い昔のラジオの時代から放送されていましたので、多くの人の馴染みがありました。テレビが登場するやさらに熱狂する人が増えました。
べーブルースやスタルヒンなどという伝説的な人がいたことも人気を高め、日本では長嶋茂雄の登場でさらに大きく花開いたスポーツと言えます。サッカーに比べると、道具が揃えるのが大変だという人もいますが、草野球ではボールと棒切れさえあれば楽しめるというところも普及した要因となっています。ところが、プロフットボールの登場で、試合のスピーディさに大きな差が出ました。2時間以内で必ず終わるということ、タイムや投球の間合いなどがなく、キビキビしたプレーに魅力を感じる人が増えたのです。実は、このことで注目したいことがあります。野球はアメリカ発祥のスポーツで、攻める側と守る側がはっきりしています。
だから、そのことを意識して、どのようにゲームが展開していくかを、じっくり楽しめるということがあります。これに対して、フットボールは南米やヨーロッパが起源で、攻守が判然としません。そのことによって、はらはらドキドキ感が断然違います。どちらが好きかは、本人次第ですが、時に応じて、じっくりか、はらはらかを選んで観戦するのもいいのではないでしょうか。
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プロ野球球団の移転
今ではどの球団も同じ場所で野球をしていますが、以前は定期的にプロ野球球団の移転が行われてきました。この球団はこの地域、あの球団はあの地域というように、今でこそわかるようになっていますが、当初は同じ地域に集中する傾向にあり、地方に分散するようになったのは30年前からです。東京、もしくは大阪に集中しており、その中での移動がメインとなっていました。もちろん、交通網の問題が主であり、今みたいに頻繁に電車も飛行機もあるわけではなく、速く移動できるわけでもなかったため、当然の状況だったと言えます。
集中するということはそれだけ同じエリアでの競合が厳しいということでもあり、移転するのは当然の判断とも言え、結果的に分散させることに成功しています。しかし、次に移転をしようと試みる球団があるとすれば、空白地域に行くしかなく、ゼロからのスタートを試みることになります。その布石として、地方球場での主催試合を行うことで人気を確認することも必要です。もし人気が定着しそうであれば大胆にもそこに移るというのも可能です。
プロ野球球団がほかに移るということは、それまで人が集まっていたところが急に稼働しなくなることを意味するため、行政としてはあの手この手でその気にさせようと、球団への譲歩が行われ、今の環境でもやりやすい環境が整いやすくなります。
プロ野球の注目度
日本のプロ野球の歴史は古く、戦前の1リーグ時代から始まりました。戦後は巨人軍を中心にして注目が集まるようになると、子供たちのファンも多くなった経緯があります。そのため、プロ野球選手は子供が将来になりたい職業の上位に選ばれていました。ところが、1993年にJリーグが開幕してからは、サッカーへの注目度も高まるようになったのです。
平成の時代はJリーグとプロ野球のファンが二分する形になりましたが、上手な具合に住み分けができています。プロ野球の場合には、独特なドラフト制度が構築されていることもあって、入団前から熱狂的な人気を集める状況が現在でも続いています。地方に球団が点在するのはサッカーと同様ですから、地域全体でチームを盛り上げるファンが多くなっています。仙台や福岡を本拠地にするチームも象徴的で、日本シリーズで優勝を成し遂げたときには地元新聞の号外が出ることもありました。
日本の野球も国際化を続けていますが、サッカーが盛んな欧州や南米とは違って、米国のメジャーリーグからの注目度が高まる状況になっています。卓越した実績を持った選手がいれば、メジャーリーグのスカウトが情報収集をすることは日常的になりました。スカウトされた選手が米国で活躍すると、再びファンの注目度が高まり、全体的な競技人口にも影響を与えることがあります。
Jリーグはクラブ規模の差が広がってきている
世界中で人気のアメリカのプロ野球リーグ・MLBは共存共栄の考え方を重視しており、ウエーバー制度の導入等でチームの規模の差がつかないようにしてきました。
一方、サッカーの世界にはそういった共存共栄の考え方はまったくなく、海外においてはクラブ間で弱肉強食の争いが続けられてきた事で知られます。Jリーグにおいては、1990年代後半以降、ずば抜けたレベルの選手はすぐに海外に引き抜かれてしまう関係で自然とチーム力が拮抗している状態が長く続きました。
しかしJリーグ勢がなかなかAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で勝てなくなってきた中、リーグ側はACLを獲れるビッグクラブを作っていこうとする動きを見せ始めます。また、ACLに参加するビッグクラブの日程調整に尽力するようになりました。
2017年にJリーグとDAZNとの10年間に渡る大型の独占放送契約を結んでからもビッグクラブを優遇する施策を打ち出しています。
例えば、DAZNから各クラブに支給される分配金は一律ではなく、4位までに入ったクラブに対しては理想強化分配金が上乗せされます。しかも、J1リーグにて1度に4位以内に入ると、翌年以降に万が一順位が落ちても3年に渡って巨額の分配金が上乗せされる仕組みとなっています。
特に、リーグ優勝したクラブがその後の3年間でもらえる理想強化分配金の総額はかなりの額となっており、だいぶクラブ間の規模の差が広がってきました。
少し前まで、Jリーグは「同じレベルのクラブ同士の対戦ばかりで面白くない」と揶揄されていたところがあります。しかし、Jリーグでも圧倒的なビッグクラブと小規模なクラブが対戦するような機会もようやく出てきました。
そんな中、ビッグクラブが大量得点したり小さなクラブがアッと驚くジャイアントキリングを起こすような事もあるため、幅広い人達の間でJリーグ人気が上昇中です。